妊娠中の症状と対応策
妊娠周期が進むにつれ、体重の増加や背中(腰)の痛み、むくみなどの体の変化が起こります。これらは不快ではあるものの一般的な症状で、出産後、しばらくすると落ち着いてくるものです。
妊娠中から産後にかけて最高のコンディションで過ごせるよう、症状に対処する方法をご紹介します。
体重の増加
妊娠中の体重増加は、母体や赤ちゃんの健康に大切であり、産後は徐々に元に戻るものだということを覚えておきましょう。
大切にしたいこと:
質・バランスの良い食事をとる
ジャンクフードを避ける
定期的に運動する(医師の検診を受けてから)
背中・腰の痛み
妊娠による背中の痛みに悩まされている方は、不快感を和らげ夜間もよく眠れるよう次の方法をお試しください。
医師のアドバイスのもと試行:
背中と足の筋肉が伸びるようなヨガやストレッチを行う
背中のコリをほぐしてリラックスするマッサージを行う
横向きになって曲げたひざの間に枕を挟み、腰の負担を軽減する姿勢で寝る
足と足首のむくみ
妊娠中はより多くの水分を体内に蓄えるため、足や足首にむくみ(浮腫)を感じることがあります。特に妊娠後期によく見られる症状です。
症状を和らげるには:
なるべく休息を取る
しめつけず、ほどよくフィットした、安定性のある靴をはく
立ちっぱなしや、座りっぱなしなど、長時間同じ姿勢でいることを避ける
注意:手や顔もむくんできたり、急激にむくみがひどくなる場合は、医師にご相談ください。妊娠高血圧腎症と呼ばれる危険な症状の可能性も考えられます。
肌のかゆみ
妊娠中は、お腹や胸のふくらみに伴う肌のかゆみが起こりやすくなります。肌の乾燥や湿疹、アレルギーなどの症状によるかゆみは、妊娠中にさらに強くなる場合があります。また手のひらやかかとが赤くなる妊婦さんもいます。
不快感を緩和するには、入浴時のお風呂やシャワーのお湯は熱すぎないようにして、肌に優しい洗浄剤を使い、入浴後は刺激の少ないローションをたっぷり塗って保湿しましょう。
激しいかゆみの場合
妊娠中期または後期にかけて生じる激しいかゆみは、異常の兆候である場合があります。日本人にはまれではありますが、妊娠性肝内胆汁うっ滞症の兆候であることが考えられます。妊娠による肝機能障害で、胎児に悪影響を与える可能性があります。
医師に相談するタイミングは?:激しいかゆみが持続する場合は、次の健診を待たずに医師や助産師へ早急にご相談ください。
妊娠線
すべての妊婦さんに妊娠線ができるわけではありません。妊娠線は急激な体重増加によって皮膚が伸びる部分に現れます。ゆるやかに体重を増加させ、医師の指導に従って適正な体重をキープすれば妊娠線のできる確率は減少します。
爪の伸びが早くなる
妊娠4ヶ月頃になると、妊娠前に比べて爪の伸びが早くなることがあります。また、爪がもろく柔らかくなったり、細い筋ができたりする場合もあります。出産後数ヶ月後には元に戻ります。
好ましい体の変化
妊娠中は、いろいろな体の変化に戸惑うことも多いですが、次のようなずっと続いてほしいと思われる好ましい変化も起こります。
髪の毛が増える
肌つやが良くなる
胸が豊満になる